俳句・短歌 四季 2022.06.06 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第110回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 道端みちはたに葉は枝えだを覆い咲く花の 通りすがりの白い永遠 日暮ひくれ時とき緑化の風の円まろやかさ 影も柔やわらな水辺の柳 真夜中にカーテンの外明あかり有り 開けると天てんに映える満月
小説 『超能力探偵 河原賽子』 【第6回】 春山 大樹 急に連絡が途絶えたストーカー男の様子見に、家を訪ねた。電気は点いているのに返事がない。こじ開けたドアの向こう、見えたのは… 【前回の記事を読む】ストーカー気質の男の相談で探偵事務所を訪れた。「大抵の男はこれで震えあがる」とすすめられたオプションは…林良祐の家は都心の住宅街にあった。築40年以上は経っているであろう古ぼけた2階建ての木造家屋で、周囲は塀で囲まれているが庭は非常に狭く、そこに植えているというより勝手に生い茂ったような笹が周囲からの目隠しになっていた。西側に細い路地があり、そちら側に庭の小さなゲートがあり、…
小説 『飛鳥残映』 【第2回】 讃 紫雲 【聖徳太子】生まれながら伝説に包まれていた。早くに言葉を発したというが、その聡明さ故に女王から複雑な気持ちを抱かれ… 【前回の記事を読む】【聖徳太子】昼過ぎにあえなく亡くなった愛しき人。その死を知り、太子は「我も共に逝きたい」と静かにつぶやき…太子の臥せている寝所に入り控えていると、そのうち厩戸太子が静かに眼を開くと田村王子を傍に近づけて、「熊凝精舎(くまごりしょうじゃ)を汝に託したい」と一言つぶやくと、しばし中空を見つめた後また眼を閉じた。熊凝精舎とは太子が釈迦の祇園精舎にならって額田部の地に創建を進めていた…