俳句・短歌 四季 2022.06.06 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第110回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 道端みちはたに葉は枝えだを覆い咲く花の 通りすがりの白い永遠 日暮ひくれ時とき緑化の風の円まろやかさ 影も柔やわらな水辺の柳 真夜中にカーテンの外明あかり有り 開けると天てんに映える満月
小説 『僕が奪ったきみの時間は』 【第6回】 小西 一誠 「彼女さん、妊娠しているんだぞ」(……え? 妊娠?)父と母は、まるで僕が危害を加えた犯罪者のように、ひたすら謝っていた 【前回の記事を読む】吐き気と眠気で保健室へ通うようになった彼女…ある日彼女の両親が家まで来て、僕を見るなり怒りをぶつけてきた。その理由は…「お前、なんのことかわかっているのか?」それまで黙っていた父が、背後から聞いたこともない低い声で言った。「えっと……」戸惑う僕の心臓は、次に発せられた父の言葉に大きく飛び跳ねた。「緑川遥香さん、妊娠しているそうだよ」……え? 妊娠? 頭の整理が追いつかない。父…
小説 『大人の恋愛ピックアップ』 【第101回】 十束 千鶴 その時ドレスがひっかかり、左胸にたくさん詰めていたパッドが舞台上にはらはら落ちた。妙な冷静さで、急いで拾ったが… 【前回の記事を読む】"結婚しない選択"と親からのプレッシャー、「赤ちゃんの服を見て『あら可愛い。いつか孫ができたら買ってあげたいわ』って」「今日はお客さん、結構来てくれたみたいだね」「はい。お祝いの言葉もたくさんいただきました」社長は上機嫌で、くるみに話しかけてくる。しかしくるみはそろそろ慣れないピンヒールのおしゃれパンプスで靴ずれが痛み出して余裕はない。「うちには女の子がたくさんいてよかったよ…