俳句・短歌 四季 2022.06.18 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第111回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 野鳥見る緑化環境夕方に中空ちゅうくうを舞う蝙蝠こうもりに会う 桃色の花を見た後あとビール飲み桃源郷とうげんきょうの心地ここち味わう 文化課の太極拳に参加して指導教師の極美きょくびに見蕩みとれ
小説 『迷いながら揺れ動く女のこころ[人気連載ピックアップ]』 【第2回】 松村 勝正 主人の入浴介助を試みた。私もびしょ濡れになり「君も風呂に入れば」と言われたが、少しでも自分の裸を主人に見られたくなくて… 【前回の記事を読む】三人で夕食のテーブルを囲んでいた。夫、妻、そして――。彼が彼女に「美味しいね」と言って、普段殺風景な屋敷に珍しく会話が…気になっていたことがあったので美代子は急いでパソコンを閉じて、主人の入浴介助のことを考えていた。正直、入浴介助がどんなものか美代子には想像も出来ない。でもスペイン旅行から帰った後で主人に「明日から入浴介助は私がやります」と言ってしまった。一時の気持ちが高揚し…
小説 『鼠たちのカクメイ』 【第23回】 横山 由貴男 「退がれ、さが…」大塩平八郎の声さえ飲まれていく。本隊はもはや烏合の衆。今攻撃されればひとたまりもない…と、その時突然! 【前回記事を読む】ああ、ぎりぎりの命のやりとり…俺はやはり、生まれる時代を間違えたな。――引き金を引くと、直後大男が倒れるのが見え…午後二時を過ぎても奉行所に動きはない。自分の隊で実績を上げる一方、坂本は同僚の本多に跡部と堀のお守りをさせていた。なにせふたりの奉行は後事を援軍に丸投げして、自分たちは馬にも跨ろうとしないのだ。「御奉行様。御城代の命令書をご覧になったでしょう。わが玉造口の隊は両奉行…