俳句・短歌 四季 2022.06.23 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第106回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 日々毎ひひごとに張りが出て来て紫陽花あじさいの 盛り極めて美しく成る ビール飲み鯖さばの塩焼き居酒屋の 深酔ふかよいをして帰宅する哉 芝草しばくさの黄色の花の咲く傍そばに 雨に際立つ紫陽花あじさいを見る
小説 『僕が奪ったきみの時間は』 【第6回】 小西 一誠 「彼女さん、妊娠しているんだぞ」(……え? 妊娠?)父と母は、まるで僕が危害を加えた犯罪者のように、ひたすら謝っていた 【前回の記事を読む】吐き気と眠気で保健室へ通うようになった彼女…ある日彼女の両親が家まで来て、僕を見るなり怒りをぶつけてきた。その理由は…「お前、なんのことかわかっているのか?」それまで黙っていた父が、背後から聞いたこともない低い声で言った。「えっと……」戸惑う僕の心臓は、次に発せられた父の言葉に大きく飛び跳ねた。「緑川遥香さん、妊娠しているそうだよ」……え? 妊娠? 頭の整理が追いつかない。父…
小説 『異世界縄文タイムトラベル[注目連載ピックアップ]』 【第5回】 水之 夢端 全員が寝静まった夜。突如轟音のち、激震――天地がひっくり返るように揺れ、林の身体は寝床から3メートル吹っ飛ばされた 【前回の記事を読む】観光NPOはキャンプ中、緊急事態があった時に頼れる存在だ。もっとも、これまでそんなことは一度も起きていない笹見平のキャンプ場を夜が覆い尽くし、全員が寝静まった頃。林は今まで体験したことの無い強烈な衝撃に目を覚ました。轟音のち、激震。――爆発か? 地震か?突然の事態に夢かうつつか分からず、声も出なかった。ふと閃光が走り、藁の隙間から強く差し込んだ。住居の中にいながら視界が真っ白…