俳句・短歌 四季 2022.06.23 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第106回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 日々毎ひひごとに張りが出て来て紫陽花あじさいの 盛り極めて美しく成る ビール飲み鯖さばの塩焼き居酒屋の 深酔ふかよいをして帰宅する哉 芝草しばくさの黄色の花の咲く傍そばに 雨に際立つ紫陽花あじさいを見る
エッセイ 『一人十色』 【第2回】 イドゥルギ ヒロ,イドゥルギ ヒロ 「息子の顔が見たい」と言う妻に、私は「後でゆっくりね」と言ってしまった。だがそのあと妻は意識を失い、我が子に会えないまま… 【前回記事を読む】「至急病院に来て欲しい」妊娠した妻の病院から電話があった。病院に飛ぶと、妻は集中治療室の中で......手術を終えて我が息子と初対面した。通常なら周囲に祝福される瞬間だが、低体重児だったのですぐにNICUに回され、妻は息子の顔が見たいと微かに言っていたが、「後でゆっくり見られるから今は安静にして」と言ったのを今でも後悔している。妻はICU病室から個室に移ったが寝たきりの生活だっ…
小説 『あした会社がなくなっても』 【新連載】 桐生 稔 土曜の朝、電話に出ると「今すぐ本社に来い!!」上司の怒鳴り声に眠気が吹き飛ぶ。新聞を手にした瞬間、俺は立ちすくんだ 2007年12月21日(金)。六本木の賑やかなバーで、桐谷悟(きりたにさとる)は合コンの真っ最中だった。フロアは数百人の男女で埋め尽くされ、酒と笑い声が飛び交っている。「桐谷さん、中岡さん来ないっすね」後輩の夏野が心配している。中岡といえば管理本部の本部長で、桐谷より5つ年上。無類の合コン好きとして社内でも有名で、どんな合コンにも誰よりも早く会場入りする男だ。しかし、今夜はどういうわけか姿を見せ…