俳句・短歌 四季 2022.06.25 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第112回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 あちこちに視線を止めて愛おしく 咲くを見い出す桃色の花 繁茂して水路の小川細くする 緑の命並び立つ葦 花咲いて住宅ビルに街の木々 自然讃歌を共に生きてる
エッセイ 『一人十色』 【第2回】 イドゥルギ ヒロ,イドゥルギ ヒロ 「息子の顔が見たい」と言う妻に、私は「後でゆっくりね」と言ってしまった。だがそのあと妻は意識を失い、我が子に会えないまま… 【前回記事を読む】「至急病院に来て欲しい」妊娠した妻の病院から電話があった。病院に飛ぶと、妻は集中治療室の中で......手術を終えて我が息子と初対面した。通常なら周囲に祝福される瞬間だが、低体重児だったのですぐにNICUに回され、妻は息子の顔が見たいと微かに言っていたが、「後でゆっくり見られるから今は安静にして」と言ったのを今でも後悔している。妻はICU病室から個室に移ったが寝たきりの生活だっ…
小説 『なでしこの記憶』 【第6回】 坪井 聖 たくさんの人に問いたい。人の往来する場所で、フルネームを叫ばれた経験のある人はいますか? 【前回の記事を読む】初対面で「デリカシーなさ男」呼ばわり。美しい顔立ちに反して、清楚とは無縁のお転婆な性格のようで…「タメ語でいくね! そうなの、私は隣町の横西中学に通ってたの。ここの近くの坂を下ると鴨ヶ谷っていうバス停があるの知ってる? その大通りの向かいに住んでるの。ちょうどその辺が通学区域の境目だから、横西中学に通ってたってわけで。距離的には二人と同じ横西台の方が近いんだけどね」「なるほど…