俳句・短歌 四季 2022.07.02 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第113回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 目の前に燕つばめ一羽が飛んで来て翼つばさ羽ばたき広げて過ぎた 暑しょ気温にスーパー店のオーシャンで 夏物揃えズック買い替え 丸い花朱色と黄色隣り合い美びに咲き誇る太陽の様
小説 『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』 【最終回】 須賀 渚 彼女はひとりで逝ってしまった――。危篤になる前に「会いたい人はいないか」と看護師が聞いたそうだが、彼女は… 【前回記事を読む】「私、ここに自分のお墓を買ったの」と話し出す彼女。「身寄りがないから…ほんとはあなたのそばにいたいけど、許されないわ」扉が開いて、以前にも会ったことのある婦長が現れて「面会室」と書かれた部屋に案内された。向かい合わせの椅子があり、座るようにと手で示した。向かいに腰を下ろした婦長は、低い穏やかな声で話し始めた。年末の風邪の症状から高熱を出し、さまざまな治療が試みられたが、免疫力が…
小説 『マナ~ズメモリーズ』 【第2回】 真名 「これ、“あの実”よ。とっても美味しいから2つ取ったの」そう言ってアダムの方に走り去っていくイブ。その日以来、二人は… 【前回記事を読む】「食べてはいけない、食べたらどうなるか…」神さまは何故、そんな果実をつくったの?――子どもと一緒に読める聖書の物語 おいらは花だよ。名前はマナ。この星で言葉(ことば)を話せる花はおいらだけなんだ。おいらが最初(さいしょ)に咲(さ)いたのは、小さな男の子のそばだった。彼(かれ)は、おいらに言った。「やっと、咲(さ)いたね。君(きみ)も一人なんだよね。やっぱり、一人は、つまらないよ…