5 家出近藤さんと映画館を出て、またアーケードを歩きました。近藤さんは幾分肩を怒らせています。「昼飯まだじゃろ。なんぞ食うで」寝坊のせいで朝から何も食べていませんでした。二人が入ったのは裏通りの居酒屋『せん吉』でした。色の褪(あ)せた暖簾(のれん)をくぐり、入口に近いテーブル席に座りました。他に客のいない店内は、戸外より熱気を溜めています。ビニールのテーブルクロスがべたつき、首を振る扇風機は最…
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小説『金の顔』【第33回】菊野 啓
何があろうと自分は一生亀を食わない
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小説『金の顔』【第32回】菊野 啓
映画でも観に行かんで
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小説『金の顔』【第31回】菊野 啓
タミちゃんはパパのお宝だよ
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小説『金の顔』【第30回】菊野 啓
旅館はどこにでもあるけんど、偉人はめったにおらんもん
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小説『花を、慕う』【第24回】堀田 冀陸
あんたも、じきに、運がめぐって来るかもしれない
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小説『金の顔』【第29回】菊野 啓
このまま学校へ行かなくてすめばいいのに
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小説『花を、慕う』【第23回】堀田 冀陸
長者のうちに生まれれば、だれだって若旦那だ
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小説『金の顔』【第28回】菊野 啓
長女を百姓屋へやったことを、心底後悔していた
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小説『金の顔』【第27回】菊野 啓
どんな相手も母を超えることはできなかった
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小説『金の顔』【第26回】菊野 啓
大きな風呂敷包みが母の背中に乗っていました
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小説『花を、慕う』【第22回】堀田 冀陸
ああこれで、待望の貯金ができる
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小説『金の顔』【第25回】菊野 啓
祖父はせせら笑い、祖母は無視を決め込みました
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小説『花を、慕う』【第21回】堀田 冀陸
よそじゃ、こんな給金は出せないよ
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小説『金の顔』【第24回】菊野 啓
血縁関係を疑うほど似ていません
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小説『金の顔』【第23回】菊野 啓
取って付けたような涙は偽物です
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小説『金の顔』【第22回】菊野 啓
痛くないのが死だと納得しました
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小説『花を、慕う』【第20回】堀田 冀陸
そんな肉を使う料理人がいるとは……
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小説『金の顔』【第21回】菊野 啓
即席ラーメンは夢のような食べ物だった
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小説『花を、慕う』【第19回】堀田 冀陸
どうして、あなたは、泣くのですか?
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小説『金の顔』【第20回】菊野 啓
放射能は身体に良いとさえ思われていた