「朱里ちゃん。めちゃカッコええ。宝塚の男役みたいや」もう七十歳近い富(と)美(み)さんが、私の頭を撫で回す。冨美さんは小学生くらいの体格だが、卓球にかけては誰をも唸らせるくらいの腕前を持っている。髪を切った私を見て、先生は絶句した。月に八回、先生と待ち合わせて荒物屋の二階に行く。曜日は決まっていて、店が定休日前の水曜と塾が休みの日曜。携帯がないので、先生と連絡を取る方法がないからだ。携帯を持たな…
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