ドミニクからの手紙をカトリーヌに読んでもらっている間、ワルツさんは無言で闇の一点を見つめていた。読み終わったカトリーヌは手紙の余白をじっと見つめて動かなかった。やがて「雪になりそうだ」とひとこと言いおいて、ワルツさんは深い緑の扉を押して出ていった。ドミニクからのあとの二通の手紙は返事をくれないことに対しての失望に満ちていた。雪は朝までやむことがなかった。 リュシアン、あの鳥はもう二度と戻ってくる…
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小説『雪女』【第2回】佳 英児
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第2回】倉澤 兎
職場の人間関係(特に女性)に疲れ、四年ほど勤めた会社に辞表を提出した
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小説『野球の子』【第5回】大藤 崇
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小説『ぼくらの風船』【第5回】美山 よしの
僕が何か大きな壁を乗り越えたような達成感を感じていた矢先、あの事件は起こった
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小説『しまなみ海道に消えたミス』【第5回】風向 良雄
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