二〇一六年二月五日(金)水差しの水を替えようかと部屋を出ると、言語聴覚士の伊藤さんと鉢合わせ、「母からの伝言がある……」と、廊下の椅子へいざなわれた。このところ、とみに母の発語能力は落ち、喋る事がとても苦しそうになってきた。それで、言語リハビリの時、言葉の練習をするついでに母が伊藤さんへ腹蔵を託したのだ。「それでは読みますね……」と、メモを出した。「ケイソ、フコイダン、薬は安くないんだよ。生活を…
ノンフィクションの記事一覧
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エッセイ『ありがとうをもう一度』【第27回】残間 昭彦
「でも高いんでしょ?」薬代を気にする母に息子は…
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エッセイ『ありがとうをもう一度』【第26回】残間 昭彦
「お前も口に入れてごらん……」モグモグしながら母は言う
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エッセイ『ありがとうをもう一度』【第25回】残間 昭彦
「根性みせてやる!」母は動かなかったはずの右足首を…
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エッセイ『ありがとうをもう一度』【第24回】残間 昭彦
泣き出した母に「一緒に歌おう」とリードするつもりが…
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エッセイ『ありがとうをもう一度』【第23回】残間 昭彦
恋人未満の関係を脱しないが、私は彼女を待とうと決めていた
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エッセイ『ありがとうをもう一度』【第22回】残間 昭彦
無邪気な笑顔を、いったいいつまで見ることができるだろうか。
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エッセイ『ありがとうをもう一度』【第21回】残間 昭彦
想い出のアルバム…数週間かけて母の半生の写真集を作り上げた
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エッセイ『ありがとうをもう一度』【第20回】残間 昭彦
「歌って楽しいんだね」母は言葉の発声もはっきりと戻ってきた
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エッセイ『ありがとうをもう一度』【第19回】残間 昭彦
飛び抜けて高価な薬品…カード地獄の雪ダルマが大きくなった
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エッセイ『ありがとうをもう一度』【第18回】残間 昭彦
「女学生みたいに可愛くなったよ」娘のように大笑いする二人
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エッセイ『ありがとうをもう一度』【第17回】残間 昭彦
「うちの子も人の子もない、叱る時は叱る」母は剛毅に笑った。
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エッセイ『ありがとうをもう一度』【第16回】残間 昭彦
ただ、それだけの、最後になるかもしれないバースデイ
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エッセイ『ありがとうをもう一度』【第15回】残間 昭彦
新しく産まれ育ってゆく命と、老いて病いを得ていく命の交差点
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エッセイ『ありがとうをもう一度』【第14回】残間 昭彦
「たいていの病気は良くなる」兄は医療機器を抱えて病室に来た
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エッセイ『ありがとうをもう一度』【第13回】残間 昭彦
看護師たちの挨拶に涙…母は「ただいま」と言って笑顔を返した
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エッセイ『ありがとうをもう一度』【第12回】残間 昭彦
「心の財だけは来世へ持ち越せる」迫る死を覚悟した母の境地
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エッセイ『良子という女』【最終回】野村 よし
「3月には伊勢へ」玉砂利を踏みしめつつ、私たちは歩いた。
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エッセイ『ありがとうをもう一度』【第11回】残間 昭彦
嘘の放射線治療をする…「お母さんを騙すしかないでしょう」
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エッセイ『戦争を知らない君へ』【最終回】棚橋 正夫
「ドカーン」と爆発する音が連続して聞こえ、家全体が揺れた
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エッセイ『良子という女』【第61回】野村 よし
歌舞伎は「女方」が幹。5代目雀右衛門は品良く折り目正しき