(もうすぐきっと、ぼくはいなくなるのだ)予感とも決意ともつかぬ心の内をひとりこぼして、ひとしずくは瞼にいっそう力を込めました。けれど、こうして恐ろしさから必死に自らを閉ざしていたとしても、多少の勇気は必要なのだということも理解しつつありました。そこで、自分のからだひとつ分の勇気を精いっぱいかき集めて小さな胸に抱きとめました。来(きた)るときのために自分の心をできるだけ強くしておくこと。それが今の…
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小説『ひとしずく』【第6回】今明 さみどり
【小説】「時間の尺度というのは誰にでも公平ではないのです」
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小説『ひとしずく』【第5回】今明 さみどり
サヨナラってぼくに?また今度って誰へ?「サヨナラ」と「また今度」の続きなんて本当にあるの…
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小説『ひとしずく』【第4回】今明 さみどり
水の滴の姿で旅立っていく兄弟たち…ころころと笑うような別れのあいさつ
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小説『ひとしずく』【第3回】今明 さみどり
空気の振動よりずっと小さな声で…緑児のように他愛ないつぶやき
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小説『ひとしずく』【第2回】今明 さみどり
【小説】生命が芽吹く森…「何千種もの緑色が一度にこぼるるこのときを、何と表現すればいいのでしょう」
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小説『ひとしずく』【新連載】今明 さみどり
【小説】まだ誰も出会ったことがない“ひとしずく”の物語
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