なだらかな坂を登りきり峠に至ると、一気に視界が広がり、南に口を開けた入り江を囲む集落と、西陽に光り輝く海が眼に入ってきた。「やはり任那(ミマナ)は良いなあ」若者は声を上げながら右袖で額の汗をぬぐい、竹筒の水を一口ぐいっと飲むと、両手を高く挙げ腰を軽く伸ばした。この男、背が高く体躯もがっしりとしており顔も幾分厳つく、そして長旅のせいか髯も伸び始めている。ただ、海を見つめている眼差しは涼やかでわずか…
小説の記事一覧
タグ「小説」の中で、絞り込み検索が行なえます。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
-
小説『継体大王異聞』【新連載】讃 紫雲
【時代小説】次代の首長として期待される男が訪れた土地は…
-
小説『ミレニアムの黄昏』【第47回】生田 仁真
プレイボーイとオタクとの「三角関係」…男2人の意外な過去
-
小説『【文庫改訂版】女帝看護教員』【第11回】上野 武久
昼とは別人…「夜のキャンプファイヤー」に医学部生たち大騒ぎ
-
小説『スノードロップの花束』【第17回】
【小説】「治療の手立てがもうない」夫には伝えられない余命
-
小説『「本当の自分」殺人事件』【第6回】水木 三甫
「浮気相手と面倒を起こさず別れたい」男が相談した相手とは…
-
小説『松岡葵の生徒会日記』【新連載】明島 あさこ
【小説】幼馴染が語った「生徒会長になりたい」理由とは?
-
小説『遥かな幻想曲』【第24回】尾島 聡
「日本の新聞の素晴らしさ」を語る…欧米の新聞との比較から
-
小説『東京スターオブライフ』【第14回】中澤 真弓
日本の救命率に「どうしても納得がいかない」現役救急隊員の声
-
小説『ニコニコ汲み取り屋』【第23回】橋本 俊幸
売春防止法で「赤線」地域の売春カフェーは一斉廃業したが…
-
小説『拝啓、母さん父さん』【第22回】三上 ミカン
音信不通だった友人の嘆き「世の中不公平だって泣きまくった」
-
小説『携帯エアリー』【第18回】早坂 どあ
【小説】オレオレ詐欺…「受け子の母親」について考えてみると
-
小説『泥の中で咲け』【第3回】松谷 美善
貧しい家庭で育った子が「いじめは大人の責任」と断言する理由
-
小説『春の息吹』【新連載】相木 鍾三
自動車学校にて…横にいる若い男が気になって仕方なかったワケ
-
小説『未来への手紙と風の女』【第5回】渡邉 将人
経営者にバカヤロウ!と言って会社を辞めた男が向かう先は…
-
小説『龍神伝説』【第33回】玉野のももたろう
【小説】鳳炎昴龍はあまりの痛さに気絶し、ぐったりとしていた
-
小説『マグリットの馬』【第5回】そのこ+W
600万円の借金のために…「サウナサロン」で働く女性の事情
-
小説『携帯エアリー』【第17回】早坂 どあ
【小説】「キャーーー‼」刑事たちも震え上がった死体とは…
-
小説『魏志倭人外伝』【第16回】半田 貞二
【小説】興奮が覚めやらず…夢中で棺の中を見る少女の姿に唖然
-
小説『渦の外』【新連載】今中 浩恵
1人で飛び出し、父親も振り切って…家出少女が向かった先とは
-
エッセイ『おもしろうてやがて悲しき』【第4回】榎本 ひとみ
猫にとって名前はどうでもいいが、「ネコ」と呼ばれるのは嫌だ