シュラフの中で寒さに震えて時折目を覚ますと、風がびょうびょうと強くテントを掠める音が聞こえ、さらに夜半からは、ポツポツと雪が風の勢いに乗ってテントを叩く音がした。おそらく外気はマイナス二十度程度だろうか。軽量化のため、鬼島と川田がくるまっているシュラフは春から秋にかけてのスリーシーズン用の薄いシュラフだった。寒さに耐えながら寝るのは厳冬期のバリエーションルート(一般的な登山道が整備されていないル…
小説
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『小窓の王』【第16回】原 岳
寒気の予報が早まった。「今日中に三ノ窓まで行ければ何とかなる…雪に埋まらないよう雪掻きしまくれば死ぬことはない」
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『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第13回】行久 彬
「済まなかったね。母さんを許してくれるかい?」点滴針が刺さった細い腕を伸ばす母の手を握ると不意に涙が溢れた…
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『高校生SM 』【最終回】大西 猛
「じゃあ、叶えたいことでもいいよ」あの人との距離を縮める二度とないチャンス、逃したら一生後悔するだろう。必死に考え......「海に行きたいです」
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『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[2024年話題作ピックアップ]』【第19回】
妻のファンクラブ発足?! 新婚社長は妻のおかげで毎日が幸せですとのろけ話も飛び出す。
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『わたがしに触れたように』【最終回】小林 世以子
貴方は私にとって......「わたがしに触れたように。 貴方を見つけたとき 目が離せなかった。」
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『三代の過客』【第8回】大村 泰
師匠から届いた「五か条の御誓文」―これが心の師匠の「遺言」となってしまうとは…
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『大阪弁で読む『変身』[注目連載ピックアップ]』【第2回】作者/フランツ・カフカ 翻訳者/西田 岳峰
【カフカの名作を大阪弁で!?】「グレゴール!まだ家におったんかいな。 どないしてん?」名前を呼ばれて答える自分の声にギョッ!?
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『八事の町にもやさしい雪は降るのだ』【第8回】宮野入 羅針
突然の再会…彼女の父親を殺したのは僕だ。なぜこの町に戻って来たのだろう。顔を合わさなくて済むようにシフトを組んだが…
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『雨の中のレインボー』【第8回】葛城 仁
「平気なはずないでしょ…でも、三人も子どもができちゃって。一回殴られたくらいで離れるわけにはいかないんだよ」
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『青空にコントレイル』【第4回】稲乃平 芽來
【文化祭】ライバル校の敵情視察終了。あっちはSDGs, 4R。真似したくなったけど、全く違うものでやりたい。そこで出た案は…!?
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『小窓の王』【第15回】原 岳
「あんたら舐めすぎだぞ。ここは剱岳だ。八ヶ岳や南アルプスとは雪の量が違う。わかってんのか?」準備が悪すぎる若者に…
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『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第12回】行久 彬
「手遅れの膵臓癌でよく持って半年」…ベッドに横たわる母の頭をそっと撫でながら涙が頬を伝った
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『高校生SM 』【第14回】大西 猛
私は神に祈る気持ちでチョコを差し出した。「食べたら感想聞かせてください」味ではなく、自分の気持ちに対する感想を。
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『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[2024年話題作ピックアップ]』【第18回】
「着替えてくるね」スポーツ観戦のたびに妻はユニフォームに着替えて僕を楽しませてくれる...
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『大阪弁で読む『変身』[注目連載ピックアップ]』【新連載】作者/フランツ・カフカ 翻訳者/西田 岳峰
「おれ、どないしてん?」ザムザがある朝けったいな夢から目覚めると…。カフカの「変身」を大阪弁で翻訳すると…どうなる!?
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『アキレウスの迷宮』【第2回】小池 文平
アフリカ最大級のスラムにてテロの視察中、「もっといいのがある」そう言われて奥のほそい路地へ手を引かれていく。
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『小窓の王』【第14回】原 岳
「は?」――絶壁を直前に、先行パーティーの若い方が引き返してきた。「あの…」と声をかけて来て…
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『高校生SM 』【第13回】大西 猛
あの人にチョコを渡すのは私一人で、あの人の魅力を知っているのは私一人。他の人にはチョコをあげる資格はなかった。それがあるのは私だけだった。
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『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第11回】行久 彬
「私の娘はあんたの息子に殺され掛けたんだよ。わかっとんのか!」ドスを利かした声で気色ばむ母
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『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[2024年話題作ピックアップ]』【第17回】
いよいよ結婚式。夫の友人達、姉妹、そして息子二人、みんなが涙しながら祝福してくれた。涙、涙の結婚式だった。