【前回の記事を読む】58歳の誕生日、8時間ロング枠を予約した。花束を手に現れた彼とホテルへ。1時間もしないうちにシャワーを浴び…

Chapter 3

薔薇の花束の誕生日会

「……うーん、オンリーワンって感じかな……」

(オンリーワンかあ……凄く素敵な言葉だわ。さすが流星くんだ……言葉の重みを感じる……)

真由子への想いを表わすような表現をシンプルな言葉で伝えてくれた流星に、真由子は特別な感慨に浸る……そして流星が真由子を腕の中にしっかりと抱きしめた……。

そんな充実した甘い時間を過ごす2人だったが、横浜からカオルが23時前に到着するというので、起きて服にまた着替えて過ごす。流星は、花束が入っていた大きな紙袋に、シンプルな目、鼻、口をボールペンで描いて、それを頭からすっぽりと被って、真由子の前にしれっと座っている。

面白い。プライドが高い流星だが、お笑いも好きで、時々ユニークな発想をする。そのシュールな被り物をした流星の姿は、流星のシャイな素顔が現れているようで、面白いけど真由子にはとても可愛らしく見えていた。

23時過ぎに部屋のチャイムが鳴った。ドアの外には、横浜から駆けつけて来たカオルが、息が上がった状態で立っていた。

よほど頑張って来てくれたのだろう……カオルも部屋の中に入ってようやくトリプルレイの集合となった。

流星とカオルがハイタッチで挨拶して軽く抱き合う姿を、真由子はいつも微笑ましく見ている。

イケメン2人が自分の紹介で、仲良くなったのが誇らしい気さえするし、本当に見るだけでも眼福である。再び今度は、カオルも入って改めて3人でシャンパンで乾杯する。

それからカオルが電子タバコを吸い出すと、ずっと半年間真由子の前では喫煙せずにいた流星も、カオルと一緒の時は、電子タバコをリラックスして吸うようになっていた。

真由子は電子タバコは吸われても煙が殆どないせいか気にならなかった。その後も真由子と流星のツーショット写真をカオルが撮影している時、流星は真由子の頬に、軽く噛みついてふざけたり、真由子が流星の膝の上に座って甘えたりと、ふざけ合う。

興に乗って、真由子は流星とカオルに男子高校生、真由子が女教師役で、アブナイ放課後授業をやろうと誘い、2人に迫られベッドに真由子が押し倒された後、半裸にされ弄ばれてしまうという、だいぶ過激なお遊びをしたりした。時計が深夜2時となり18時から8時間の予約だった流星が、

「じゃ、俺、帰るね……」

と言ってあっさりと帰っていった。真由子は一瞬とても寂しくなったが、今夜はカオルをそのまま泊まりにした。深夜に駆けつけてくれたカオルを休ませるのが当然だと思ったし、誕生日会の後、流星が帰った部屋で1人寝るのは耐えられなかったのだ。