大坂夏の陣(一六一五年)が終わり、江戸の世が本格的に始まろうとしていた元和(げんな)年間の頃、武蔵の国のある小さな藩に、奥貫宗佐隆清(おくぬきそうざたかきよ)という名の若者がいました。父親の宗助は中堅の武士として藩主の高瀬氏に仕える傍ら、余技として篠笛をたしなむという一面を持っていました。その長子として生まれた宗佐は、幼い頃から聡明な上に武芸の才の片鱗も見え、両親も行く末を大いに恃(たの)んでい…
小説
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『指切り宗佐 愛恋譚 』【新連載】星河 三郎
九の歳に重い疫病を患って両目を失明。息子の行く末を思いわずらっていたら、藩内でも有数の篠笛の吹き手に
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『泥の中で咲け[文庫改訂版](人気連載ピックアップ)』【第14回】松谷 美善
後輩より給料が2万円低かったことを知ってショック…。腹を立てて転職した先は、なんと「詐欺会社」だった
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『振り子の指す方へ[人気連載ピックアップ]』【第3回】山口 ゆり子
あれから2年、妻は度々熱を出すようになった。あの日、僕は妻の笑顔と二人の思い出を自らの手で台無しにしてしまったのだ。
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『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第8回】ホエラニア
「なぁ、何か言って」そっと肩に触れる。教えてくれよ、お前に何があったんだ? 何か言ってくれよ、泣くだけなんておかしいだろう、お前、お前。
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『高校生SM[注目連載ピックアップ] 』【第8回】大西 猛
数分にも満たない短いやり取りが、私の体を喜びで満たした...夏休みなんて欲しくなかった。たった一日あの人に会えないだけでも辛いのに、それが四十日間も続くのだ。
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『ネムとジド』【第8回】喜田 美樹
「おねがいです。どうか、この子たちをひきはなさないでください。」やせたジドに寄り添うネムを見て、母は訓練士に懇願する。
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『猫の雨傘と僕のいる場所』【第8回】倉澤 兎
語られる両親の過去――父との離婚を考え逃げ出した母、バスの行き先は名古屋だった…
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『標本室の男』【第45回】均埜 権兵衛
彼女への淡い憧憬…これは決して口にしてはいけない。というよりも、本当の人間ではない自分には越えてはいけない一線だ。
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『スクリーン』【第5回】山田 健太郎
天井をぼーっと見続ける。やっていない証拠、もしくは目撃者などいなかっただろうかと…
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『泥の中で咲け[文庫改訂版](人気連載ピックアップ)』【第13回】松谷 美善
ある朝、僕の日常は一変する。工場に出勤したときに大騒ぎになっていた。あるトラブルの原因を僕のせいにされ…
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『振り子の指す方へ[人気連載ピックアップ]』【第2回】山口 ゆり子
8年節約で2000万円貯蓄した妻。痛快なほどに家事をこなし、無駄な買い物一つしない。最初はそんな妻を自慢に思っていたものの…
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『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第7回】ホエラニア
殺してやる...背中でもさすってやろうとした途端、お前の体が跳ね、僕の手が振り払われる。隻眼が僕の目を貫き、僕に襲いかかり、確かにこう言った。
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『高校生SM[注目連載ピックアップ] 』【第7回】大西 猛
先生への思いは大きく私の心を支配した。皮肉に満ちた笑顔、優しく包み込むような笑み。数分間話しただけで、いくつもの知らないあの人を見た。
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『真夜中の精霊たち』【第5回】新見 上
彼女は他の女の子達とは違う。彼女ときたら、男がいる前で、お構いなしにガニ股で水の流れの中を踏ん張って洗濯しているんだから。
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『箱船へいらっしゃい』【第5回】葛西 雄一郎
畑へ忍び込んで作物を荒らしていたのは大豆のような虫――のはずが…
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『海の梵鐘』【第5回】波方 遥
教会に出入りしていた男が資金を詐取して逃亡するという事件が起きた。熱心だった若い牧師が責任を取る形で転勤させられ…
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『ベースボールよ、新たな夢へ!』【第5回】村上 正
「やばい」と思うと、ガチャーン! すごい速さでボールが他人様の家の窓ガラスを直撃。…狭苦しくて家ばかりあるこの環境が悪いんだ
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『泥の中で咲け[文庫改訂版](人気連載ピックアップ)』【第12回】松谷 美善
監禁されているここから絶対に生きて帰りたい…。ある明け方、今だ!と直感し、そっと音を立てないように、立ち上がったところ…
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『あなたと虹を作るために[人気連載ピックアップ]』【最終回】福田 恭子
第二子である長男が誕生。その5日後に阪神淡路大震災が発生した。死者や行方不明者がどんどん増えていく中で一人の政治家が…
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『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第6回】ホエラニア
そこから血と鼻を突く臭いがして、ゴミ袋を見やる。お前の服が死んだねずみの塊みたいに固まっている。