三金曜日の午後二時。優子は、また病院へ行った。待合室では、モーツァルトの「ピアノ協奏曲第二十一番ハ長調」が静かに流れていた。優子は、この曲が好きだった。診察室に呼ばれた。「先生。教えて頂いた法律事務所へ行ってきました。おかげさまで、天地先生が全てして下さるって。本当にありがとうございます」と、優子は頭をさげた。「そうですか。それは良かった」と、柚木は自分の事のように安堵した。「それで、発作はまだ…
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