「おまえ、飛び加藤って知っているか?」「なんですか、藪から棒に? 加藤さんの親戚とか?」「ばかだな、戦国時代の伊賀忍者だよ。司馬遼太郎の小説に出てくる」と言って講談が始まった(※1)。「へー、飛び加藤のとっくりから人形が転がり落ちて踊り始める?」と、酒器を傾けようとする胖に、「ばかだな(とこの日何度目だろう)、おまえ一人の力でいったい何ができる? でかいヤマを当てようと思ったら、ちっとは人間関係…
[連載]三代の過客
-
小説『三代の過客』【第6回】大村 泰
「おまえ一人の力でいったい何ができる? でかいヤマを当てようと思ったら、ちっとは人間関係を大事にしろ。」
-
小説『三代の過客』【第5回】大村 泰
十五年前大手新聞社の記者だった頃にスカウトされ、その時のやりとりが思い出されてきて…
-
小説『三代の過客』【第4回】大村 泰
答えたくない問いには逆質問ではぐらかし、質問を逆手にとって相手を怒らせ必要以上の情報を自白させるのが常套手段の「大将」
-
小説『三代の過客』【第3回】大村 泰
ゆくゆく、この男が微妙な立ち回りをすることになろうとは、この時点では気づかなかった
-
小説『三代の過客』【第2回】大村 泰
朦朧とするなか迎えた終戦六十回目の正午。阪神甲子園球場にサイレンが鳴り響く
-
小説『三代の過客』【新連載】大村 泰
三世代の人生の道行き、生き様から、より良く生きるための道しるべを見つけてほしい