小児科の診察室は10部屋あり、ドアにはそれぞれ番号が書かれており、その番号の下にはゾウやライオン、シマウマなどの動物の絵が描かれていた。通院していた近所の病院とは違い、明るく大きく白いという印象だった。待合室には、僕よりも年下の子どもが多く、母親と話をしたり、母親の膝で寝ている子どももいた。どれくらい待っただろうか。マイクを通した女性の声で僕と兄の名前が呼ばれ、「1番にお入りください」というアナ…
[連載]医療者のことばの持つ力
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エッセイ『医療者のことばの持つ力』【第8回】田中 順也
初めての入院生活は我慢ばかり。いつもは邪険にしている両親にもなかな会えず、寂しさがあふれ出し...
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エッセイ『医療者のことばの持つ力』【第7回】田中 順也
先生からは、もうこの病院では治療することができないと言われ…。そして、僕に聞こえないようにどこかに電話をしながら泣いていた母
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エッセイ『医療者のことばの持つ力』【第6回】田中 順也
その日もいつものように学校から帰ってすぐに宿題を済ませ、算数の宿題は兄に教えてもらおうと兄が帰ってくるまで寝転がってテレビを見ていた。するとテレビの画面がグニャグニャに揺れて見えはじめ…
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エッセイ『医療者のことばの持つ力』【第5回】田中 順也
何度も何度もお願いをしても首を縦に振ってくれなかった母。その理由は…
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エッセイ『医療者のことばの持つ力』【第4回】田中 順也
痛い注射を我慢して飲むサイダーは最高!母と兄と僕の3人だけの秘密にワクワク
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エッセイ『医療者のことばの持つ力』【第3回】田中 順也
祖母が悪気なく言った一言。その言葉を聞いてから、お肉が食べられなくなってしまった
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エッセイ『医療者のことばの持つ力』【第2回】田中 順也
いつもの味に帰ってきたと実感。実家で父、母、兄と一緒に食卓を囲み舌鼓
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エッセイ『医療者のことばの持つ力』【新連載】田中 順也
病気があることは辛いし苦しいけれど、決して不幸じゃないんだと感じてほしい