当然、〈御小袖〉の引渡しについては、覚慶様は難色を示されたが、「止むなし」とご納得いただき実行した。儂の目論見通り、覚慶様のお命をとりあえずは繋ぐことができたが、「奈良におわしては、覚慶様のお命の保証はできませぬ」という久通からの知らせを受け、儂は更に計策をめぐらせた。そして七月廿(にじゅう)八日の夜、三淵藤英、細川藤孝、一色藤長ら、亡き義輝公の側近らを多聞山城に呼び寄せた。「三淵殿、そして皆様…
[連載]松永久秀~天下兵乱記~
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第40回】児玉 望
【時代小説】『内藤家からの使者』という言葉に、嫌な予感。
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第39回】児玉 望
「公方様を討ち取りましてございます」…隠居を悔いた松永秀久
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第38回】児玉 望
「一つの時代が終わったような気がしてならなかった」主君の臨終…悲しみに沈む重臣・松永久秀の決心
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第37回】児玉 望
自分の見舞いに来た18名を皆殺し!長慶の「被害妄想」に絶句
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第36回】児玉 望
「まだ一年も経たぬうちに、また一人、愛する人を喪った」
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第35回】児玉 望
かけがえのない主君の死…日々泣き暮らす松永の「意外な行動」
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第34回】児玉 望
「頃や良し」命じられた総攻撃、信貴山城奪還作戦の結末は…
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第33回】児玉 望
「すぐに退治できよう」高を括る松永だったが…予測不能の大乱戦が始まる
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第32回】児玉 望
趣向を凝らした新たな本丸…松永が四階櫓に込めた意味とは
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第31回】児玉 望
「天国に入りたる感あり」人が造ったと思えない美麗な建物とは
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第30回】児玉 望
【小説】稚拙な策だが…「勝負を決しましょう」一通の文の中身
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第29回】児玉 望
【小説】敗戦から五日後…三好勢と畠山勢の戦いの行方
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第28回】児玉 望
【小説】突然の凶報に動揺する中、向けられたのは疑念の眼差し
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第27回】児玉 望
【時代小説】降り注ぐ矢の雨!1万もの敵軍を前に、松永は…
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第26回】児玉 望
【歴史小説】乗馬が得意だったが「落馬で死亡」したのはなぜ?
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第25回】児玉 望
慶事に次ぐ慶事。喜ばしい空気のなか松永に下賜されたものは…
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第24回】児玉 望
【歴史】異例中の異例…天皇直々に官位を授けられる松永の活躍
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第23回】児玉 望
【小説】公方の伊勢貞孝が慶興に名を授け…「有り難き幸せ」
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第22回】児玉 望
【歴史小説】決着しない大和国との戦。期を伺う松永に好機が
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第21回】児玉 望
此度の敵は謎多き「神国・大和」戦いの火蓋がついに切られる
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