斎場に着くと、ちょうど同じ時間にヒョウゴとイオリが、明純の車で来たところだった。斎場では、すでに火葬者の名前が並んでいた。そこに孫「岬索良之介」の名前もあった。葬儀社の担当の女性が挨拶しに来た。後で明純に聞くとその時だけの担当だったのか、後にも先にもその時一度きりしか、その女性には会ってないそうだった。サクラの棺は白い布張りで、鳳凰の刺繍があしらってあった。明純は死に装束も鳳凰にしたと言ってい…
[連載]駒草 ―コマクサ―
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小説『駒草 ―コマクサ―』【第19回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】遭難した息子が棺に…「開けて、中を見せてください」
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小説『駒草 ―コマクサ―』【第18回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】「サクラを助けられなかった」娘の言葉に、冬子は…
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小説『駒草 ―コマクサ―』【第17回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】「骨は拾ってやるよ。」親孝行で気の利く息子は…
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小説『駒草 ―コマクサ―』【第16回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】「サクラ、ごめん。おとうさん、捜せなかった…」
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小説『駒草 ―コマクサ―』【第15回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】何もみつからないなんて、神隠しにあったみたいですね
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小説『駒草 ―コマクサ―』【第14回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】サクラが行方不明になって二週間が過ぎようとしていた
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小説『駒草 ―コマクサ―』【第13回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】ヘリコプターが飛んでいる。「ここだ!俺はここだ!」
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小説『駒草 ―コマクサ―』【第12回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】「自殺なんてするわけないよね」サクラの行方は…
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小説『駒草 ―コマクサ―』【第11回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】「ドローンを使いたいんです」焦る両親に坂崎は…
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小説『駒草 ―コマクサ―』【第10回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】全員が捜索から戻った時、母親が思いもよらぬ一言を…
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小説『駒草 ―コマクサ―』【第9回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】まだ諦めない…家族の要請による捜索一日目
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小説『駒草 ―コマクサ―』【第8回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】捜索打ち切りの通告。すると遭難者の兄らしき若者が…
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小説『駒草 ―コマクサ―』【第7回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】遺留品が何もないってどういうことだ?
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小説『駒草 ―コマクサ―』【第6回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】「明日はヘリコプターでの捜索が主になる予定です…」
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小説『駒草 ―コマクサ―』【第5回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】「滑落したら、捜さないので」隊長の一言に母親は…
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小説『駒草 ―コマクサ―』【第4回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】これで終わりなのか…告げられた捜索打ち切り
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小説『駒草 ―コマクサ―』【第3回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】募る不安に迫るタイムリミット…運命の捜索三日目
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小説『駒草 ―コマクサ―』【第2回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】テレビの報道を見て驚愕。住所や名前などサクラの個人情報が…
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小説『駒草 ―コマクサ―』【新連載】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】「山から帰ってこない息子」四時過ぎ、一本の電話が…