暫くしてから「俺の受験番号が掲示されていない。悔しい」と吐き捨てるように言って、立ち去った。私は、クンチが相当悔しい思いをしていると感じた。昭和学園に合格していたので、高校には進学できる、と考えながら嫌な思いをした合格発表の日を思い出してから、折角訪ねてくれた西に、「話は終わった。早く帰れ!」と素っ気なく告げると、「マツ、また、誘いに来るよ!」と捨てぜりふを言って、自宅に帰った。次の日、「マツは…
[連載]弔いの回想録
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小説『弔いの回想録』【第4回】松田 浩一
「俺の受験番号が掲示されていない。悔しい」それでも友人は俺に補欠募集の受験をしつこく勧めてきて...
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小説『弔いの回想録』【第3回】松田 浩一
一度決めたことを変えることができない頑固な性格。無理だと言われた志望校へ挑むも...
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小説『弔いの回想録』【第2回】松田 浩一
「一度も友人だと思ったことはない…」かつてはそんな酷いことを言ったのに… 亡き友人へ涙ながらに語り掛ける
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小説『弔いの回想録』【新連載】松田 浩一
小学校三年生の時に出会い、中学校三年の都立高校受験では共に失敗。今日は彼の誘いで同じ高校に進学し、同じ公務員として歩んだ君の告別式