【前回の記事を読む】薔薇を、私の薔薇を見ている! それほど熱心に見てもらえるなんてと、突然喜びが湧いてきて…「マリ、早く来てよ! 上の方がもっと見晴らしがいいわよ!」、ノリコは後ろに向かって叫ぶけれど、マリは動こうとはしない。典子の方がしぶしぶ下に戻っていく。その前方だけは樹木が切れ、ベタ凪の海が果てもなく開いていた。海の色は深い藍から鮮やかなマリンブルーへ微妙なグラデーションで塗り分けられたか…
[連載]薔薇のしるべ
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小説『薔薇のしるべ』【第8回】最賀茂 真
あんなに一緒だったのに。月日が二人を分かち、別人のように見えてしまうほど残酷に時は経ってしまった。
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小説『薔薇のしるべ』【第7回】最賀茂 真
薔薇を、私の薔薇を見ている! それほど熱心に見てもらえるなんてと、突然喜びが湧いてきて…
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小説『薔薇のしるべ』【第6回】最賀茂 真
この日をどれほど切望してきた事だろうか。だが一方には、それを恐れる心が…。堰が切れるように、固く誓った事までも…
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小説『薔薇のしるべ』【第5回】最賀茂 真
まだ着いたばかりなのに、今にも帰るような話になってしまったのを悲しく思った。
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小説『薔薇のしるべ』【第4回】最賀茂 真
「泊めていただけるという事かしら?」 その声色は、本心を隠すようにしゃがれていた。
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小説『薔薇のしるべ』【第3回】最賀茂 真
「あの手紙が届いた時、一体何の事かと思ったわ」 薔薇が断ち切られた時間を再びつなぐ…
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小説『薔薇のしるべ』【第2回】最賀茂 真
青いシャドーに真紅のルージュをひいた友人。二十年ぶりの再会に嬉しいはずが…
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小説『薔薇のしるべ』【新連載】最賀茂 真
庭仕事をしていると誰かが訪れた気配がして見に行くとそこにいたのは…