私は、勇気を奮い起こして彼女の打席にゆっくり歩いて行った。「おじさんのアドバイス効果があった?」「まあそれなりに」微笑んで答える彼女の目元が、いつもより優しく感じられた。「もっと早く私のところに来てほしかったのよ」「え、なんで」「……」彼女はその質問に答えず、6番アイアンを取り出した。ビュッと風を切る音がした。ボールは、ややフェードしながら150ヤードの表示の手前に落ちた。6番アイアンは好きなク…
[連載]雪女
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小説『雪女』【第6回】佳 英児
うっかりと口にした「夕飯、一緒に食べに行きませんか」という言葉がきっかけで夕食に行くことになり、いまでは.....
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小説『雪女』【第5回】佳 英児
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小説『雪女』【第4回】佳 英児
ゴルフ練習場で出会った美女のことが頭から離れない。授業中にもつい思い出してしまい……
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小説『雪女』【第3回】佳 英児
ゴルフ練習場で気になっていた美しい女性。「お隣で一緒にどうですか」と声をかけてみたところ…
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小説『雪女』【第2回】佳 英児
早朝のゴルフ練習場。男性が使うアイアンを扱う謎の美女。相当に上手いようだが…
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小説『雪女』【新連載】佳 英児
「私人間じゃないの。『雪女』だと思ってくれればいいと思う」と告白してきた彼女