彼は虚ろな目で天井を見つめていた。周りには医療ドラマで見るような機材が並んでいる。こっちに気がついた哲也は、一瞬驚いたような顔をしたように見えたが、その表情に意思があるとは思えなかった。管の刺さったやせ細った腕が、すべてを物語っているようだった。私は現実を直視できなかった。の哲也に少し声をかけたところで、哲也の母が病室に入ってきた。私は何と声をかければよいかわからずその場に立ち尽くすだけの自分が…
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