俳句・短歌 短歌 自由律 2020.12.12 句集「愛のままで咲く」より三句 愛のままで咲く 【第20回】 馬場 美那子 “こぼれる愛 からめた指の すき間から” 十七音に込められた、愛と感謝の川柳句集 母へ、恋しい君へ、愛犬へ、かけがえのない日常へ。やさしく、時に激しい愛の詩。 5章からなる川柳句集を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 乱気流に乗って別れたい君と 波の花はかない君の命かな まだ好きで君の本心見抜けない
エッセイ 『逆境のトリセツ[パラリンピック特集]』 【新連載】 谷口 正典,益村 泉月珠 右足を切断するしか、命をつなぐ方法はない。「代われるものなら母さんの足をあげたい」息子は、右足の切断を自ら決意した。 失うのは生命か右足か究極の選択まだ寒さが残る三月。午前二時。ピンポーン。「こんな時間に誰?」上着を羽織りながら玄関を開けた。そこに立っていたのは、背筋を伸ばした警察官だった。「正典さんのご家族の方ですか」「正典の母です。どうかしたんですか?」「正典さんが、国道二号線でトラックとの事故に遭いまして……」「え……、正典は無事ですか?」「現在、病院に搬送中です」動転した母は、兄と一緒に俺が運ばれた病院…
小説 『ツワブキの咲く場所』 【第19回】 雨宮 福一 いつか中を見てくれ…心不全で亡くなった親友が残した段ボール箱。そっと開けると、そこには聖書が入っていて… 【前回の記事を読む】ハムスターに嫉妬し、小さな命をそのまま土に埋めた。その後、主治医から家族と離れて暮らすことを提案され...手元のスープが冷めていくのが分かっていても、彼の思い出はとまらない。一緒に行ったクリスマスパーティー、蛍を観に行った日のこと、夏祭りのにぎわい、正月参りの人混み、夜更けの何でもないメールに、どうでもいいことで盛り上がる昼餉(ひるげ)の語らい。でも。(一度に思い出しすぎた気…