俳句・短歌 短歌 自由律 2020.08.01 句集「愛のままで咲く」より三句 愛のままで咲く 【第1回】 馬場 美那子 “こぼれる愛 からめた指の すき間から” 十七音に込められた、愛と感謝の川柳句集 母へ、恋しい君へ、愛犬へ、かけがえのない日常へ。やさしく、時に激しい愛の詩。 5章からなる川柳句集を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 次回の記事へ 最新 まな板の トントン母は 元気です 淋しい九月 母の生まれた月だから 私の為に生きる母です ありがとう
小説 『サトゥルヌス[注目連載ピックアップ]』 【最終回】 花田 由美子 「死んだ妹は、息子さんの子を宿していました」遮断機の下、妊婦が倒れていたことに誰も気がつかず、母子ともにそのまま… 【前回の記事を読む】海外出張から帰国した父と、1年ぶりに再会…父には現地の女性との間に子供ができた疑惑があり…二〇一〇年 悌「こんにちは、あの、加藤さんですね、私は孝一さんの友人の鈴木タカコの兄、鈴木ヤスシと申します」高齢女性にしては背の高いシルエットが目的の人だと確信した。玄関わきに咲き誇る紫のシャクヤクのように真っすぐな背筋をしている。自分に目を上げるその顔の、シワの深さもシミの多さも、彼女…
小説 『分かたれる水面』 【最終回】 木南 木一 庭には子どもの遊ぶ声が響き、夕暮れには3人で食卓を囲んでいる。彼女は笑っている。だが目を開ければ―― 【前回の記事を読む】「もう、笑えない」——その一言が胸の奥で何かを終わらせた。僕はまだ、自分が正しいと信じていた彼女は荷物をまとめ始めた。クローゼットの扉がきしむ音、スーツケースのチャックを引く音、それらが一つ一つ、僕の耳に突き刺さる。白いワンピースの裾がかすかに揺れ、その背中は、同じ部屋にいるはずなのに、果てしなく遠くに見えた。僕の声はもう届かない大気の向こう側へと離れていくようだった。「もし…