一ノ一 幼い頃から感じていたいつの頃からでしょうか、私がもの心ついた頃には、父の言動に対して、もうなんとなく異様だと感じるようになっていました。ある日のこと、父が普段通りにトイレに向かったかと思えば急にトイレで具合が悪くなりました。母が駆けつけると父は、「心臓が止まりそうだった」と母に抱えられながら戻ってきて、私はただ傍らで不安そうに見つめていただけだったことがありました。このこと自体、普通に考…
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エッセイ『模索の扉[人気連載ピックアップ]』【新連載】ななつまこ
忌引きの理由は自殺だとは言えなかった…行方不明から1週間、父の体を発見した漁船は、父の故郷に近い地域の船だった。
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歴史・地理『嵌められた光秀』【第4回】根木 信孝
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エッセイ『元気が出る!昌子のビタミンことば』【第4回】中野 昌子
【格言・人生訓】一人で居る時間こそ、自分磨きのチャンス。勉強するもよし、昼寝して充電して休むもよし
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俳句・短歌『歌集 いのちの名 明日のみえない日もあった』【第4回】出島 美弥子
『歌集 いのちの名 明日のみえない日もあった』より詩二編。「45分の帰り道。傘と一緒に飛んで跳ねて! 跳ねて飛んで…」
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小説『再愛なる聖槍』【最終回】由野 寿和
これは事故ではなく予告型殺人事件だ――犯人の狙いは何なのか、そして五年の時を経て再び対峙する二人の刑事
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小説『鼠たちのカクメイ』【第24回】横山 由貴男
「抵抗すれば殲滅あるのみ」――バリバリッと音がして、塾生や農民たちの悲鳴が…やりよった。この時代に官僚が民衆を傷つけるなど…
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ビジネス『なぜ職場では理不尽なことが起こるのか?[注目連載ピックアップ]』【第19回】中山 てつや
会社の面倒な人間関係も、相手を褒めればマシになる。会議で対立しがちな同僚を"こっそり"ほめてみると...
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健康・暮らし・子育て『終の棲Ⅴ』【第5回】北沢 美代
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エッセイ『ゼロスタート[注目連載ピックアップ]』【第6回】靳 忠效
「このタバコを持っておいて」――船内で知り合った男の依頼で、タバコを20本持たされた。税関を出た外で渡すという約束をしたが…
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小説『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[新連載記念ピックアップ]』【第8回】武 きき
「私も幸せアピールをしたいので協力してください」元夫の前で男性に腰に手を当ててもらいながら歩く。
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俳句・短歌『風狂を生きる』【第4回】総君
【自由詩】春の自由律俳句「日溜りの中の 春の猫の尾っぽ 今更丸く」
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小説『不確かな真実』【第11回】和亭 正彦
他の容疑者の捜査が進む中、忘れられかけていた飯島めいの存在。しかし、二人の刑事には簡単に捨てきれない違和感が残っていた
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小説『あら、50歳独身いいかも!』【第3回】武 きき
帰ろうとすると「ダメだ。もう僕の物だ」――キスで唇をふさがれ終電にも間に合わずそのまま…
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健康・暮らし・子育て『ナルコレプシーと生きる[注目連載ピックアップ]』【第6回】川崎 俊
「起きろ!」教師はナルコレプシーの生徒のもみあげを引っ張って起こし、教室の後ろに立たせた。……だが生徒は「感謝でいっぱい」
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エッセイ『ギリシアの遺跡を訪ねて』【第9回】荻田 譲二
「我はアゴラのホロス(境界石)なり」ホロス(境界石)は神聖かつ公的な本来の「広場」としてのアゴラを守る役割を果たしていた
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小説『同じ名前の鳥が鳴く[人気連載ピックアップ]』【新連載】なつきめい
私は先ほど生まれた感情を恋心と呼ぶことにした――田所と名乗る大学院生は声が小さく、猫背で、頼りなく。しかしその唇にだけは…
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小説『ジパングを探して!』【第7回】大和田 廣樹
亡き母からの手紙が伝えるのは、自分の人生に覚悟を持てというメッセージ――ある日僕を促すように、ベネチアへの航空券が届いた
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小説『乙女椿の咲くころ[人気連載ピックアップ]』【最終回】倉田 裕美
新卒の学生でさえかなり苦戦を強いられた就職氷河期に高卒で、技術も資格もない46歳専業主婦の私が就職した先は…
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ビジネス『製造業のDXを3Dで加速する』【第7回】鳥谷 浩志
3Dデジタルツインで製造業DXを実現、全社的な生産性向上を図る
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小説『寂しがり屋の森』【第7回】村松 凪
十歳に満たないくらいの男の子…幽霊だ。喉が、ひゅっと鳴った。――その時「あははは」幽霊が笑い、天使のような顔で…