「何をおっしゃいます、兄様。わたくし共も、いつも離れることなく一緒に帰るではありませんか……。なんで鳥などうらやましかろう」聞いて、一萬は首を振った。「そうではない。雁という鳥は、家族揃って国から国へ渡ると聞いている……。あの五つの雁は、先に飛ぶは父、後は母。中の三つは子供であろう。親子揃うた雁が、この一萬にはうらやましい。そなたは弟、我は兄。母は真の母であるが、曽我殿は真の父ではない。母上はい…
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