俳句・短歌 四季 2022.05.21 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第107回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 チチツーと繊細せんさいに鳴く野鳥いて 小枝を通し清い声聞く 霧晴れて山頂の上くっきりと 趣き深く古楼閣ころうかく見る 庭先の艶あでやかに咲く淡紅花たんこうか 一つ二つと多数咲き出す
小説 『愛され未亡人の、湯けむり恋物語』 【第2回】 月川 みのり 娘の学費のために始めた仕事だったのに…私も夫を亡くしたから、「妻が生きていた頃は…」と言う彼と何かが通じ合ってしまい… 【前回記事を読む】“ある条件”さえのめば、月給32万円のハロワ求人…娘に見せると震える声で「月に1度は必ず帰ってこれるんだよね?」と…バスは山道をくねくねと登っていった。窓の外には杉の木が鬱蒼と茂り、時折渓流のきらめきが見える。乗客はよし子の他に地元のお年寄りが2人だけ。終点に近づくにつれ、よし子1人になった。(本当に来てしまった)スマートフォンの電波が1本になった。美咲に「着いたらLINEする…
小説 『あした会社がなくなっても』 【第2回】 桐生 稔 上は東大・下は中卒。ベンチャー企業は、実力がすべての会社だった。その証拠として、若手社員の名刺には—— 【前回の記事を読む】土曜の朝、電話に出ると「今すぐ本社に来い!!」上司の怒鳴り声に眠気が吹き飛ぶ。新聞を手にした瞬間、俺は立ちすくんだ張目健剛――この男の名を、ベンチャー業界で知らない者はいない。おそらく桐谷以外は……。周囲の学生たちは食い入るように彼を見つめている。このカリスマ経営者に心酔していた。桐谷はとんでもなく場違いな企業に来てしまったと悟った。皆、張目健剛と一緒に仕事がしたくて、ナイス…