〔丹田完全呼吸法の心身に及ぼす生理学〕
①内臓の働きがよくなり、自律神経失調が改善される理由
下腹部を動かし、肛門をぎゅっと締めることで、自律神経(全ての内臓などの働きを支配する神経)や血管の集合体で、ミゾオチの真後ろにある血管の集合体である太陽神経叢の働きを活性化して、交感・副交感神経の機能が高まり、その支配を受けている全ての臓器が健康に働くようになります。
②全身の血液循環がよくなり、脳の働きがよくなる
人体細胞約37兆個が活動するためには血液が必要です。人間は一日に約7200ℓの血液を必要とし、そのために心臓は休まず血液を送り続けています。心臓から送りだされる血液30%は酸素を多く含んだ動脈血として脳細胞に送り込まれ、70%が腹腔と下肢に分配されます。これらの血液はその後、静脈血(炭酸ガスや老廃物を含む)となって心臓へ帰らねばなりません。〕丹田完全呼吸法で横隔膜を大きく動かすと、横隔膜は手足の筋肉と連動して働くので、腹腔内の静脈血を効果的に心臓へ送り届け、生命活動に役立つ血液量を最大限に活用できます。同時に脳に行く血液循環もよくなり、頭脳の働きもよくなります。
③がんの予防になる
現代、がん患者は増えています。がんができる部分は血液循環が悪く、酸素が不足していることがわかってきたそうです。深い丹田完全呼吸法は酸素を多く取り入れ、がん細胞にも多くの酸素を送ることができます。また、丹田完全呼吸法は自律神経の働きのバランスがとれるために、リンパ球の割合が健全になり、がん細胞を消してくれる働きがあります。がんの術後にヨガを始める生徒さんが多いですが、皆さんに丹田完全呼吸法をやっていただきますと、大勢の方が、抵抗力もつき、元気になります。