“非効率的・不合理的読書”のススメ

そろそろ見破られてきていると思うのですが、正直言って私の読書法は稚拙です。前項、前々項では読み方についてもっともらしいことを述べましたが、付箋を貼りながら読んでいる以外に、たいした工夫はありません。

読んできた本をいくつか紹介していますが、けっしてお薦めというわけではないので、中身は詳述していません。もちろん、「もっと古典や名著に親しめ」という上から目線の説教などできるはずがありません。

基本的に“遅読”なので、速読法や多読法について言及することもまったくできません。「ネットやメモの取りにくい電子書籍はけしからん」などと、時代錯誤を語るつもりもありません。

であるからして、「そんなヤツの書いた文章に何の意味があるの」と言いたくなる気持ちも、わからなくはありません。だから何度も言っています。「読書のわかっていない人間が、読書の必要性について悩んでいる本だ」と。

読書について想いを巡らせたとしても、本読みを前向きに捉えられない人も、おそらくいるでしょうし、読書法のわからない人もいるということです。読書について、葛藤を抱えている人間だからこそ、そんな人間の述べる意見にも一定の価値があるのではないかと、僭越ながら思っています。

「本の何が大切なの、まだ読書の楽しみがよくわからない」という、そうした読書初心者の気持ちに寄り添い、私も過去を振り返りながら一緒に考えていきたいと思っています。