輸送などを含めて全エネルギーを電力にすると国土の6.4%(あるいは3.2%)
第四段階として、原材料利用以外の全エネルギーを太陽光発電でまかなう場合、つまり、現在、主に化石エネルギーを使用している輸送なども含めて、最大限、太陽光発電の電力に置き換えるとしたら、それに必要な電力を得るための面積を試算します。この考え方として、すでに輸送分野の代表的な乗用車において電気自動車が開発されて実用化されていますので、他の輸送分野も電気化することが最も順当であろうと考えてです。
ここで産業政策的に大きな選択を迫られます。これまでの検討は現在、電気を使っている分野だけを太陽光発電の電気に置き換える話でした。これは、現在の電気で動く機器・機械がそのまま使えるのですから、当然のことです。今、検討しようとしていることは、現在、電気を使っていない分野、つまり、化石エネルギーで動いている機器、機械も新しく電気で動く機器、機械を開発して、電気でまかなおうとするものです。
この場合、後述しますように、電気ではなく水素を使って(水素で動く燃料電池車は開発されています)、動かすという選択肢もあります。それについては、低コストの大量の水素をどうやって確保するかという問題があり、後述しますが、とりあえず、すべてを電気に置き換えるという考えで検討を進めます。