脱炭素、脱原発はドイツに学べ

最も早く太陽光発電を軌道に乗せたドイツの場合を述べます(ドイツ政府は賢明にも21世紀がどのような世紀になるか見通す叡智をもっていました)。

ドイツでは、現在では約50ヵ国に広がっている再生可能エネルギーの固定価格買取り制度(FIT)の基となる制度を早くも1991年に導入、2000年には、「再生可能エネルギー法」を制定、正式にFITを導入し、再生可能エネルギーによる発電量を、2020年までに20%にするという目標を掲げました。ドイツでのFITで買取り対象となっている再生可能エネルギーは、太陽光、風力、水力(5000キロワット以下)、地熱、バイオマス(2万キロワット以下)でした。

その結果、ドイツの電力消費に占める再生可能エネルギーの割合は2000年時点ではわずか6%でしたが、2010年までに倍の12%までにすると宣言し、やってみたら、ほぼ3倍近い17%までに上がりました。二酸化炭素の削減でも、京都議定書の目標である21%削減を超える22%削減と目標を達成しましたが、その削減の半分が自然エネルギーによるものとされています。

そして、ドイツは、福島原発事故直後の2011年5月には、2022年までに17基の原子力発電所をすべて閉鎖、再生可能エネルギーを中心とした社会に転換することを閣議決定しました。まず、政府が将来を見通して何をどうするか方針を決定しなければ、この温暖化問題はどうしようもありません。