IPCCの第三次、第四次、第五次報告書
2001年にIPCC第三次評価報告書が公表され、「この半世紀の温暖化の大部分は、人間活動が原因と考えられる。平均地上気温は今世紀末までに、1990年に比べて1.4~5.8度上昇すると予測される。これに伴い、海水準の上昇や大規模な気候変化が懸念される」としていました。
2007年にIPCC第四次評価報告書が公表され、人間活動が温暖化を招いたことはほぼ間違いないと断定しました。そして、温室効果ガスの排出量が異なる6つのシナリオについて、21世紀末(2090~2099年)における世界平均気温を予測していました。
それによりますと、排出量が最も少ないシナリオ(B1)とは、
「世界の地域間格差は縮小する。世界人口は21世紀半ばにピークに達した後に減少する。物質指向は減少し、クリーンで省資源の技術が導入される。経済、社会及び環境の持続可能性のための世界的な対策に重点が置かれる」
というもので、1980~1999年と比較した2090~2099年の気温上昇量は、最良の見積もりが1.8度、可能性が高い予測幅が1.1~2.9度でした。
排出量が最も高いシナリオ(A1FI)とは、
「高度成長が続き、世界人口は21世紀半ばにピークに達した後に減少し、新技術や高効率化技術が急速に導入されていくという世界を想定している。世界の地域間格差は大幅に減少する。そしてFIは化石エネルギー源を重視する場合である」
というもので、2090~2099年の気温上昇量は、最良の見積もりが4.0度、可能性が高い予測幅が2.4~6.4度となっていました。IPCCの予測においても、最悪のシナリオでは気温上昇は6度を超え、温室効果は暴走していくとしていました。