俳句・短歌 四季 2021.05.06 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第20回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 僕達と誕生祝う創設者 日本料理の松鈴楼しょうりんろうで 紫の躑躅つつじ満開一斉に 皆微笑みなほほえんで歓迎してる 存在を創造保全完成の 愛の摂理の美しさ哉
小説 『記憶のなかで生きる』 【第19回】 厚切りゆかり 母を火葬した。骨壺を抱えて帰宅したとき、家は静まり返っていた。母の部屋に骨壺を置き「しばらくはここで一緒に暮らそう」と伝えた。 【前回記事を読む】「これ以上の延命は苦しめるだけ」と医師に言われ、横たわる母の手を握りながら「お母さん、どうしたい?」と問いかけた。母を火葬した。骨壺を抱えて帰宅したとき、家は静まり返っていた。「ただいま」誰も答えない。「お母さん、帰ってきたよ」誰も答えない。当たり前のことなのに、その静寂が胸を締め付けた。私は母の部屋に骨壺を置いた。遺影を並べ、花を飾った。「お母さん、ここにいてね。しばらくは、…
小説 『ヘルメスの遺児』 【第7回】 小林 正仁 推しの控室に忍び込もうと中をのぞいたら、女の人がいた…うつぶせで動かないその女性を見て「この人もしかして…」 【前回記事を読む】インターホンに出ると「城東警察署の者です。例の件で、お話を聞きたいのですが」と。すぐにドアを開けると…「君たちが死体のことで相談に来た後、現場に行ってみたんだが……その……死体が無かったんだ」近藤彩は「え? でも私たちは見ました。見たんです!」近藤彩の声が少しだけ大きくなった。俺は咄嗟に「君たちの相談を受けた女性警官も、嘘は言っていないと確信しているんだが、肝心の死体が無かった…