俳句・短歌 歴史・地理 歌集 歴史 2021.02.24 歌集「風音」より三首 歌集 風音 【第30回】 松下 正樹 何気ない日常にある幸せを探しに。 優しい風を運ぶ短歌集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 この街の 忘れ形見に一枚の 畑(はたけ)残され葱(ねぎ)の花咲く 女郎蜘蛛、白銀(しろがね)の巣を架けし藪(やぶ) 伐り払はれて家が建ちたり 冬ごもる藪は伐られて鶯の 初音を恋へど絶えて久しき
小説 『泥の中で咲け[文庫改訂版](注目連載ピックアップ)』 【第10回】 松谷 美善 マッチングアプリ相手の希望で、夜11時に集合…ワゴン車の後部座席で渡された紙コップを飲んでしまったところ、記憶がなくなり… 【前回記事を読む】ふと外を見ると、車からよろよろと歩く女性を男が家に引き入れ、得体の知れない液体を飲ませていた。退屈していた。とにかく毎日が退屈だった。夫は今度、いつ帰ってくるのだろう。盛りのついた猫のように、ただ異性を求め続けた。優し気な言葉、写真で見る限り華奢な男。この人なら大丈夫かな。直感でそう思った。すぐには会わない。それがあたしのやり方。毎日毎日、絶え間なくメールを交換して、毎晩毎晩、…
小説 『月海』 【第6回】 月原 悠 四畳半のアパートで、家族3人暮らしが始まった。父の出稼ぎに病気がちな母と私もついていくことになり、3カ月の予定だったが… 【前回記事を読む】幼馴染の彼女と同じ人を好きになったが、彼に告白することはできなかった…なぜなら、彼が想っているのは明らかに…。樹木からあふれる春の日差しも、初夏を思わせるものへとうつろっていき、風鈴が風に揺れ、澄んだ音色が初夏の空気に溶けていった。沢田と妙子は想いを、より育んでいった。小太鼓の音が鳴った。笛の音色が怪しそうに聞こえて来た。外は祭りの賑わいが感じられた。音に導かれるように沢田と妙…