星形の襟章りりしき兵士たち いのちながへて戦後は長し
*太平洋戦争の時代、父島・母島は本土防衛の前線基地となった。
一九五四(昭和二十)年一月現在、一万六千名の兵士が守備についていた。
北の海に小魚追ひしクジラたち 春には南の海へ向かひぬ
*北の海 アリューシャン列島付近の海、オホーツク海など。
【小笠原諸島】
[クジラ]
あたたかき父島の海に仔を産みて ほとばしり出る乳で育てむ
四季がある日本は移ろいやすいのだろうか。
行き交う人々の心や街の景色は千変万化で、過去はさらに記憶の彼方へ押しやられてしまっているかのよう。
だが、南の島々には、あの戦争を経ても変わらぬ日本の心が残されていた。
過去と現在、時間の結び目を探しながら、日本古来の清き明き心を見つける旅の歌短歌集を連載でお届けします。
星形の襟章りりしき兵士たち いのちながへて戦後は長し
*太平洋戦争の時代、父島・母島は本土防衛の前線基地となった。
一九五四(昭和二十)年一月現在、一万六千名の兵士が守備についていた。
北の海に小魚追ひしクジラたち 春には南の海へ向かひぬ
*北の海 アリューシャン列島付近の海、オホーツク海など。
【小笠原諸島】
[クジラ]
あたたかき父島の海に仔を産みて ほとばしり出る乳で育てむ