厚労科研費研究班の混迷

2014年(平成26年)3月14日、厚労科研費による「診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究班」(以下、「科研費研究班」と言う)の第1回会議が開催された。厳密にいうと「打ち合わせ会」が開催されたのである。

医療事故調査制度のガイドライン作成の研究班として招集されたのであるが、改正医療法が国会で成立するのは6月25日なので、法律成立前の厚労省のフライングである。したがって、改正医療法成立までは、事前勉強会と称して会議が行われたのである。

日本医療法人協会からは日野頌三会長が委員となっていたが、会長代理で筆者が出席することとなった。前日の3月13日は、日本医療法人協会医療安全調査部会の予定日であったため、筆者は12日に上京していた。

個人的な話であるが、13日明け方、自宅から電話が入った。父が息を引き取ったのである。朝1便で急遽、鹿児島に引き返した。14日、15日の二日間通夜、16日葬儀と準備を整え、再度上京、14日の科研費研究班に出席した。親の臨終にはなかなか立ち会えないものである。

写真を拡大 [図2]医療法改正案から改正医療法施行に至る経緯

科研費研究班は初回から問題噴出であった。厚労省医療安全推進室とは事前協議したにもかかわらず、内容、メンバーとも異なるものであった。前年末の三者会談での合意とも異なる背信行為である。改善していた医療安全推進室長との間が再び緊張関係となった。

3月14日の科研費研究班の内容を日野頌三会長と協議、以後、筆者が代理出席することになる。