永遠(トワ)のやくそく
つぎに目をあけると、ぼくは、うすぐらい小さな巣の中にいました。からだに、力が入りません。
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『お兄ちゃん、どこ?』
ぼくは、ク~ンとなきました。
『おちびさん、やっと気がついたかい?』
ななめむかいの巣の中から、なき声がしました。
それは、茶色のおばあさん犬でした。
『ここはどこ?』
『どうぶつびょういんに、きまってるじゃないか』
おばあさん犬は、なんでも知ってるみたいに、おしえてくれました。
『どうぶつびょういんって、なに?』
ぼくは、つぎつぎに聞いてみました。
『びょう気やケガをして、死にそうなやつが、つれてこられるところさ』
『ぼく、死ぬの?』
おばあさん犬の目が、ぎょろりとこちらにむきました。
『そうだよ。おまえさんも、いつか死ぬんだ。こわいのかい?』
ぼくは、くびをかしげて考えました。
『わからない。だってぼく、死んだことないもん』
するとおばあさん犬は、フッフッフッと、はなをならしました。
『正直な、おちびさんだね。気に入った!』
おばあさん犬は、やさしくうなってから、ねむそうに目をとじました。
『死ぬっていうのが、どういうことか…。そのうち、おまえさんにもわかるよ』
グルルルル…。
ぼくも、また、ねむくなってきました。
『それまで、ぐっすりおねむり』
おばあさん犬の声が、遠くで聞こえたような気がしました。
※
つぎにぼくが目をあけたとき、なぜかおばあさん犬のすがたは、どこにも見あたりませんでした。
『おばあさん、どこ?』
ク~ン、ク~ン……。
かわりに、青いふくをきたおじさんが、近づいてきました。
「よしよし、いい子だ」