エッセイ 芸術 2021.02.17 「今を大切に 君の人生だよ」より「須永博士」 今を大切に 君の人生だよ 【第4回】 青山 珪香 あらたな書芸術を模索しつづける書家からのメッセージ こんな時代だからこそ、ぬくもりのある言葉を―― 時代がどんなに進んでも、心に届くのは人のあたたかみ。 わかる。感じる。励まされる。 70年近い書人生のなかで、「だれもが読めて心に響く書のものを」との思いから、 多くを自作の文で制作してきた書家による作品集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 授かった命に感謝し 明るい未来を信じて 頑張ってほしい 苦しみも楽しみに 変わる時がキッとくる (須永博士)
小説 『アイアムハウス』 【新連載】 由野 寿和 静岡県一家三人殺害事件発生。その家はまるで息をするかのように、いや怒っているかのように、大きく立ちはだかり悠然としていた 午前十一時。サイレンを鳴らさず、車両は静岡県藤市十燈荘(じゅっとうそう)に到着した。静岡中央市にある県警本部から十燈荘までは、藤湖をぐるっと大回りして藤市経由でトンネルを通り、小山を登ることになる。藤湖を見下ろす高級住宅街、十燈荘は、土曜の昼だが活気はない。既に外部への交通規制が敷かれているとはいえ、不気味に静まり返っている。ここで殺人事件があったことを、住民達が知っている気配はなかった。その家…
小説 『魂のいるところ』 【新連載】 しおん 伯父の葬儀の日に出会った端正な顔立ちをした青年。「綺麗な顔だなぁ……」そう思った 伯父の葬儀の日、伯母や親戚達はすすり泣いているのに、私は悲しめないでいた。突然の訃報に、伯母も心の準備がなっておらず、それもそのはず五十三歳で亡くなるなんて早すぎる。良い部下にも恵まれて仕事も順調、家庭円満、順風満帆だった。立派な祭壇があり、亡骸が安置されているのだが、私には本人が棺の隣に、仁王立ちでまじまじと、他界した己の姿を見つめているかの様に観えている。「あーあ、やっぱり」人生という名の使…