エッセイ 芸術 2021.02.10 「今を大切に 君の人生だよ」より「北原白秋」 今を大切に 君の人生だよ 【第3回】 青山 珪香 あらたな書芸術を模索しつづける書家からのメッセージ こんな時代だからこそ、ぬくもりのある言葉を―― 時代がどんなに進んでも、心に届くのは人のあたたかみ。 わかる。感じる。励まされる。 70年近い書人生のなかで、「だれもが読めて心に響く書のものを」との思いから、 多くを自作の文で制作してきた書家による作品集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 花は青墨の上に 濃墨を重ねて おもしろさを出し 周りには 色を付けたこよりを 無造作に糊付けして 遊んでみました (北原白秋)
小説 『迷いながら揺れ動く女のこころ』 【最終回】 松村 勝正 主人は下半身麻痺で、車いすの生活です。障害を承知で結婚しました。でも、私は何もしません。入浴介助からリハビリまで… 「そうよ、山形さんも注意遊ばせ。二人で篠田、山形と苗字で呼び合うのはいかにも他人行儀ね。これからはお友達になったのだから、下の名前で呼びましょうよ。私は『陽子』。山形さんは?」「私は『美代子』と言います」「素敵な名前ね。美代子さんは青葉台でしたわね? 長いんですか?」「まだ二年程です」「お子さんは?」「いません。主人と二人きりです」「ご主人のお仕事、伺ってもいいかしら?」「主人は在宅で個人事務所…
小説 『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』 【第36回】 行久 彬 着の身着のまま出て来た大阪――あれから2年が経ち、30台前半の丸みを帯びた体からは抑え切れない色香が漂い… 花火のあった翌日から美紀は髪形をポニーテールから夜会巻きに変えた。時折和服を着て店に出るようにもなった。「どうした、ママ、何かあったの?」しっとりと落ち着いた雰囲気になった美紀は客たちから何か心境の変化でもあったのかと盛んにからかわれた。「何の変化も無いから髪形ぐらい変えてみようと思っただけよ。それより、近頃何か良いことでも無いの?」美紀は訊かれる度にそうはぐらかし、客に心の内を語ることはなかっ…