永遠(トワ)のやくそく
これは、クロリという、ある一ぴきの犬から聞いたものがたりです。犬の言うことを、うまく人間のことばにできたかどうかしんぱいですが、ぜひ読んでみてください。
※
ぼくは、ある日、ゴミおきばで目をさましました。
スヤスヤねむっているうちに、つれてこられたみたいです。
まだ子犬のぼくには、ダンボールばこを、よじ登ることができません。
『ママーッ! どこ? ぼく、ここだよーっ!』
ク~ン、ク~ン…。
ぼくは、いっしょうけんめい、はなをならしました。
するとそこに、せの高いお兄ちゃんが、通りかかりました。
「よし、よし。いい子だ。おいで」
ぼくには、人間のことばはわかりません。
でも、お兄ちゃんのうでの中は、とてもあたたかでした。
お兄ちゃんは、ぼくを、じぶんの巣につれていってくれました。
その大きな巣には、お兄ちゃんのパパとママもいました。
「ねぇ、かってもいいでしょ? ぼくが、ちゃんとめんどうをみるから」
それからぼくは、ごはんをいっぱい食べて、元気になりました。
広いにわや、大きな巣の中をかけまわり、思いきりほえました。
『ああ、うれしい! ああ、たのしい!』
ワンワン! ワンワンワン!
「この子、ちょっと元気がよすぎるわね」
そのうちお兄ちゃんのママが、ぼくを見て、かおをしかめるようになりました。