ひまりは、ここまで書くとアッキーの顔をのぞきこんで目を見ながら、
「治るよね、治るよね、アッキーママは絶対に治るよね」
思わず大きな声になって叫んでしまい、静かな図書館に声が響きわたった。ひまりは思わず口に手をあてた。
まわりにいた人達は、ひまりの声に驚いて振り返ってしまった。アッキーの顔は無表情で冷たい目になっていった。調べれば調べるほどアッキーママの病気がわかってきたのだ。
ひまりは何度も、治るよね、と問いかけた。アッキーはひまりが段々とうるさくなり耐えられなくなってきた。アッキーはひまりを残して、先に帰る、とだけ言い図書館を出て帰っていってしまった。
机の上には辞書も本も広げっぱなしである。ひまりは私もアッキーと同じ気持ちなんだと、誰かアッキーに声を届けて欲しかった。ひとり取り残されたひまりは、ノートの上に顔をうつ伏して、何とも表現できない切なさに耐えるしかなかった。