我々人間界には絶えることのない争いが存在しています。争いが生じる主な根源には、1.人種・民族の差別、2.宗教の存在、そして3.主権国家の存在、の三大根源があります。これらがなぜ争いを創造するのか、そしてどうすれば人間界から争いを追放することができるのかについて思いをめぐらします。

人種・民族の差別

人種・民族差別

我々人類はその一人一人が、自身は一体何様なのか、そんなに偉いのか、そんなに劣っているのかなどについて、自身の心に問う内省をしなければなりません。

人種・民族間に持って生まれた知能に差はないようですし、文化・文明については絶対的優劣はつけられないというのが一般的認識です。百歩譲って、人種・民族の間に知能にも文化・文明にも何らかの差があるものと仮定してみます。

その差とは一体どのようなものでしょうか。全知全能の高みから見れば、その差なるものは、遥か下方地上すれすれに拡がる同一平面上に存在していて、特に問題とするような差など認識できないということになるに違いありません。

ヒットラーのような、内省なきがゆえに、無知の自覚が欠落していたとしか考えられない無知なる者、そして無知なるがゆえに愚かの自覚も欠落していてその結果愚かで傲慢の権化を実践するに及んだ者、このようなたった一人の愚か者によって何百万人以上ものユダヤ人やロシア人が虐殺・抹殺されるという悲惨な事態が生じてしまいました。

愚かであることは人類に不幸をもたらす重大事なのです。人類は愚かな偏見から卒業しなければなりません。人種・民族差別よりもほかの様々な要素により、人類が滅亡の瀬戸際に立たされている今この時に、人間同士で争うこのような「愚かな贅沢」など許されることではありません。