我々人間界には絶えることのない争いが存在しています。争いが生じる主な根源には、1.人種・民族の差別、2.宗教の存在、そして3.主権国家の存在、の三大根源があります。これらがなぜ争いを創造するのか、そしてどうすれば人間界から争いを追放することができるのかについて思いをめぐらします。
人種・民族の差別
肌の色
我々人類はもともと黒人種としてアフリカに発生し、中近東からヨーロッパに拡がり白人種となり、以後さらにまた中近東へ入り黄色人種となったという説があるようです。
黒人が白人になったのは、黒人の中で突然変異により白い肌になった白子が差別され北方へ追いやられたという説や、太陽光の弱い北方へ移動した黒人種がメラニン色素の関係で白く変わって行ったという説もあり、またそれらの双方が絡み合い白人種や黄色人種などの発生に寄与したものかもしれません。
そのようなことはさておいても、何れにしても、肌の色で差別することに理知的な根拠を見出すのは困難です。考えてもみて下さい。およそ色(カラー)というものについて黒、白、黄、およびそれらの中間色あるいは他の色も含めて、どの色がきれいでどの色がそうではないなどということはない筈です。
黒い色の服、白い色の服、黄色い色の服、それらの中間色の服、その他の色の服にしても、どの服が美しくどの服がそうではないなどということは、同じ人種の中でさえ普遍性はありません。
色即是空の色でもない、色恋沙汰の色でもない、色彩の色のことです。この色彩の色はどの色も全て肯定するべきものであり、それ以外の見方はありません。肌の色などにわけもわからず固執し差別意識を持つなどは、己の精神の未発達と愚かさを世に公開している風景の最たるものというほかありません。