胸元を勾玉あをく装ひし 遠世の出雲の女性はいづくぞ
牛突きの角のするどさ勢ひたち 音ひびかせて角突き合はす
牛突きの突かれて退く牛の眼に ふと見し涙のしづくを思ひぬ
“忘れえぬ旅をまたひとつ三十一文字に封印す”
――日本の面白さに旅装を解く暇もない
最果ての無人駅から、南の島の潮の香りまで、まだ見ぬ土地に想いは募る。
尽きせぬ思いが豊かな旅情を誘う、味わい深き歌の数々を連載にてお届けします。
胸元を勾玉あをく装ひし 遠世の出雲の女性はいづくぞ
牛突きの角のするどさ勢ひたち 音ひびかせて角突き合はす
牛突きの突かれて退く牛の眼に ふと見し涙のしづくを思ひぬ