俳句・短歌 短歌 自由律 2020.11.07 句集「曼珠沙華」より三句 句集 曼珠沙華 【第15回】 中津 篤明 「冬花火 亡び 行くもの 美しく」 儚く妖しくきらめく生と死、その刹那を自由律で詠う。 みずみずしさと退廃をあわせ持つ、自由律で生み出される188句。 86歳の著者が人生の集大成として編んだ渾身の俳句集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 彼女 如月 少年故の 淡い疑問符 如月へ 少年 銀色の 鳩とばす 少年の 光茫 一瞬 百千鳥
小説 『アントライユ』 【第3回】 鈴木 恋奈 彼の父親と私の母が不倫。親族双方殴り合いの大事件になった。だが、彼の母親は「慰謝料は要らないから」とだけ言って姿を消し… 【前回の記事を読む】彼にピアスが増えたら、私は自分の耳にも印をつけて、ニードルを取り出す…「痛い痛い!」それでも彼とお揃いがよかった私たちは新潟県の外れにある小さな町で育った。私は、ボロボロのアパートで生まれた。母親の稼ぎが少なく、泣く泣く住んでいた。幼少期に千春がそのアパートの隣の部屋に引っ越してきたのだ。千春の母親の後ろに隠れる彼の光る涙は私の心を潤した。今でも鮮明に思い出せる。彼の目は女の…
小説 『ぼくとマンゴとエルマーノ』 【第5回】 マイク 峯 ドミニカ共和国で家族でカナル風呂! 南国とはいえ三月の水は冷たくて母さんの一声で… 【前回の記事を読む】「に、にいちゃん、こ、ここのアリかむとよ!」……アリにかまれた譲二ちゃんの足の小指は赤くはれていたドミニカ共和国に着いて、峯家にお風呂ができるまでの一週間は、家族全員、重留さんのドラム缶風呂を借りに行きました。その家は慎ちゃんたちのところから、歩いて十分ほど北西のちょっと小高いところにありました。日本にいたころ、慎ちゃんはいつも近所の銭湯に、父さんや母さんたちと行っていました…