俳句・短歌 短歌 自由律 2021.03.20 句集「曼珠沙華」より三句 句集 曼珠沙華 【最終回】 中津 篤明 「冬花火 亡び 行くもの 美しく」 儚く妖しくきらめく生と死、その刹那を自由律で詠う。 みずみずしさと退廃をあわせ持つ、自由律で生み出される188句。 86歳の著者が人生の集大成として編んだ渾身の俳句集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 母消えて 晩夏 火となり 海となる 悲母にして 石積む 石の 命かな 遍歴の 母の 悲しみ 桜魚
小説 『アイアムハウス』 【第8回】 由野 寿和 「助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて!」オンラインゲームの最中に背後から襲われた長男 次に深瀬はパソコンのディスプレイに目をやった。デスクトップパソコンは本体が光っており、画面にはいくつものウィンドウが表示されている。「この画面は犯行当時のままか?」「そのようです」「俺にはわからんが、何の表示だ?」「これはCHAO(チャオ)とかいう、人気のオンラインゲームだそうです。オンライン上でチャットをしながら戦うサバイバルゲームで、世界中でプレイされています。どうやら世界大会も開催されてい…
小説 『ジパングを探して!』 【第4回】 大和田 廣樹 亡くなった母の遺品整理中に知ったこと、教会への寄付の履歴…「母はなぜ、キリスト教徒になったのでしょうか?」 教会はこぢんまりとしていた。中に入ると、祭壇の上にあるステンドグラスが目に飛び込んでくる。それに見とれていると、1人の紳士が近づいてきた。「あなたはどちら様ですか?」「すみません。私は竜神健と申します。母は竜神明子と申しまして、こちらの教会に伺っていたと思うのですが……」「明子さんの息子さんですね。よく明子さんが話をされてました。私は神父をしています住谷修一と申します」と明るい表情に変わる。住谷…