俳句・短歌 短歌 自由律 2020.10.31 句集「曼珠沙華」より三句 句集 曼珠沙華 【第14回】 中津 篤明 「冬花火 亡び 行くもの 美しく」 儚く妖しくきらめく生と死、その刹那を自由律で詠う。 みずみずしさと退廃をあわせ持つ、自由律で生み出される188句。 86歳の著者が人生の集大成として編んだ渾身の俳句集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 兜虫 げにも やさしく 姉泣かす 冬苺 少し 血が出て 美少年 花吹雪 少年 虜囚と なりており
エッセイ 『一人十色』 【第5回】 イドゥルギ ヒロ,イドゥルギ ヒロ 「お父さん、大丈夫だと思うけど、ある程度の覚悟はしておきなさい」――震災後2週間たっても親の迎えがない息子に、先生は現実を… 【前回記事を読む】やっとの思いで到着した家は一階が津波の被害で泥や大木で覆われている。息子はそこには居なかった三日後に中学校に行ってみると、水はまだ周囲を覆っているが、比較的校舎には入りやすくなっている。職員室前の掲示板の前で数日振りに息子と出会えた。息子は何でもない様子だったが、私の方は号泣してしまった。最後に人前で号泣したのは何年前だろう。学校側も最後の避難生徒が親に迎えに来てもらって安堵し…
小説 『氷のトンネル[注目連載ピックアップ]』 【第8回】 夕凪 丹麗 義父母の家の改築費用2千万円、うち1千万円を夫と私の貯蓄から出し工事開始。お昼には大工さんにみそ汁を出すのが日課に 【前回の記事を読む】義父母の食費一カ月2万円。食費を渡され、三食作らされ、作ったものに文句を言われ…料理教室だけがたまの息抜きに二年が過ぎた頃、家の改築の話になった。義父母が家を改築するのは一向にかまわないが、恭一は別のところに家を建てることをちゃんと貫一に伝えてあるのだろうか。結婚して間もない頃、恭一と二人でⅯ市に土地を見に行った。あれは夢だったのか。やっと今の生活から解放されると思っていたの…