俳句・短歌 短歌 自由律 2020.10.24 句集「曼珠沙華」より三句 句集 曼珠沙華 【第13回】 中津 篤明 「冬花火 亡び 行くもの 美しく」 儚く妖しくきらめく生と死、その刹那を自由律で詠う。 みずみずしさと退廃をあわせ持つ、自由律で生み出される188句。 86歳の著者が人生の集大成として編んだ渾身の俳句集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 死因は 「リラ」 夕陽したたる すべり台 わが不在 ただ 一握の 冬の塩 姉泣かす 少年 裸足 葉月潮
エッセイ 『プレナイト[人気連載ピックアップ]』 【第6回】 天乃 神龕 集中治療室には、変わり果てた夫の姿があった。声をかける私に、肩を揺らして笑ってみせた夫。その笑顔に胸が張り裂けそうになり… 【前回記事を読む】仕事から帰らない夫。携帯には、知らない番号からの何十件もの通知…胸騒ぎがする中折り返すと、その相手はまさかの…ともに永遠に道中では、ドクターヘリの搬送の時点でなんとなくもう元の体には戻らないことくらいは理解していた。低酸素血症なのか高次脳機能障害なのか……。人工心肺でも付けているのか、もしくは蘇生中なのか。まだ小学2年の長男と年長の次男になんと説明したらいいんだろうか。まだ歩け…
小説 『愛[注目連載ピックアップ]』 【第15回】 高見 純代 「ここまでだ。…さぁ服を着て」彼は私のおでこにキスしただけ。私は力をなくし、裸のままベッドに腰かけ… 【前回の記事を読む】「私を抱いて。貴方に抱かれたいの」自分でも予想していなかった事を口にした。彼は私の手を引っ張って、ベッドルームへ…「君は全く子供みたいだ。男を知ってる女なら、そんな脱ぎ方はしないよ。もっと勿体ぶって、じらして脱ぐもんだ」「ねぇ。抱いて」と私はせっついた。神矢が近づいて来て、私の正面に立った。大きかった。そして右手を私の首に回し、左手を私の腰に回し、優しくグッと全身を抱いてくれ…