手や足の爪を切られし須佐之男は
高天の原より追ひはらはるる
*罪をあがなうために須佐之男は、髪や手足の爪を切る罰を科された。
須佐之男はひどい空腹に耐えられず
大気都比売を訪ねました
たのむ腹が空いて死にそうだ
なにか食べ物を出してくれないか
私たちの太陽(アマテラス)はどこへ行ったのだ?
日本人の原像がまざまざとよみがえる。
日本最古の史書『古事記』に登場する神々の世界を詠う、他に類を見ない叙事的な歌集。叙情的な文語と明快な口語を絶妙に組み合わせながら、神々の悲哀と愛憎をつぶさに表現する。
日本の神々は、民と交わり、民とともに働き、人間同様死にゆく存在でもある。
王国の成立と興亡の歴史が秘められた『古事記』の世界を、人々の悲しみと喜びを歌で再現。日本人の原点の物語を連載でお届けします。
手や足の爪を切られし須佐之男は
高天の原より追ひはらはるる
*罪をあがなうために須佐之男は、髪や手足の爪を切る罰を科された。
須佐之男はひどい空腹に耐えられず
大気都比売を訪ねました
たのむ腹が空いて死にそうだ
なにか食べ物を出してくれないか